狭い土地で、いかに快適に暮らすか……それを突き詰めたのが狭小住宅です。ですが、「狭小」という言葉に「狭くて小さくて住みにくい」というネガティブなイメージを抱いていませんか?

小さな土地でも、いびつな形をした土地でも、しっかりこだわって家を建てれば、とっても快適な毎日を過ごすことができます。むしろ、住む人のライフスタイルにフィットした上質な生活が送れるのです。
一級建築事務所サオビでは、狭小住宅を「あえてのコンパクトな暮らし」と位置付け、ポジティブなものとして捉えています。

あえて小さな暮らしをする、という価値観は、私とある方との出会いから生まれました。その方は「私、本は買いません。図書館で借ります」「ものを買うときには捨てるときのことを考えるから、必要なものしか買わなくなるんです」といいました。
ものを持たない暮らし。ものを持たない豊かさ。
その考え方は、私にとって大きな発見でした。

寅さんはトランク1つで全国を身軽に動き回ります。そんな、ものを持たないコンパクトな暮らしには、いくつかメリットがあります。
- 建物などの税金が安い
- 維持費・光熱費が安い
- お掃除が簡単
家ですべての機能を果たそうとせずとも、本は図書館、お茶はカフェ、と街に家の機能を求めてもいいかもしれません。東京や大阪などの都心で暮らすなら、こういった身軽な考え方もいいのではないかな、と思います。

狭小住宅の一番のメリットは「家族を近くに感じられること」だと思います。いい意味で、プライベートがない空間。自然と家族とコミュニケーションが取れる家が多ければ、もっと日本人の心は健やかに育っていたのかもしれない……そう感じることもあります。
昔の日本人は、いつでも家族が顔を合わせる一体空間で暮らしてきました。しかし戦後、密集した都市型住宅がどんどん増えていきます。そして、狭い家に狭い個室がいくつもある……そんな間取りが主流になりました。その結果、家族は近くて遠い存在になり、家族同士のぬくもりやふれ合いが欠けてしまったように感じます。
この点は、日本の反省点だと思います。

ずらずらと語ってしまいましたが、この考え方は、あくまで島崎の個人的な想いです。決してこのスタイルをお客様に押し付けることはしません。「こういう考え方もあるかもね」程度に受け取っていただけたら幸いです。
何より大事なのは、その家に暮らすお客様の希望です。広く見せるという意味では、壁や仕切りを設けずに家具で仕切る設計などもご提案させていただきます。もちろん「やっぱり個室が欲しい!」というのであれば、個室を設けながらもなるべく広く見せるご提案をします。
個室にこだわらない暮らし方もある、ということを知っていただけたらうれしいです。

















