
島崎邸 神奈川県横浜市
- 2009年
- 戸建住宅・新築
- 木造 2階建
- 設計・監理
| 建築家の コメント |
広さ16坪+ロフト、定員3名(4人になるかも・笑)。広さよりも空間の質と広がりを大切にし、“小さく住む”というライフスタイルをスタートさせました。外装・内装には木材をふんだんに使い、時間とともに味が出る家づくりを実現。 床材は階ごとにナラ・ウォールナット・ラーチと変え、あえて構造材を見せて木のぬくもりを感じさせています。昔ながらのタイルのお風呂、低温式床暖房、木製のキッチンなど、住む人に優しいこだわりも随所に散りばめました。 |
|---|---|
| 土地面積 | 52m2(16坪) |
| 延床面積 | 66m2(20坪) |
| 建築面積 | 26m2(8坪) |
| 金額 | 1,900万円 |
2009/08/07現在
まずは、「ちびいえ」に住んでみていかがですか?

部屋の用途に合わせて天井高を低くしているんです。寝室は寝るだけだから低めで、リビングは高めで、とか。でも思っていたよりも低さが気にならなくて快適です。意外と気にならないものなんですね。
あと、私が気に入っているのは窓です。天窓とか、リビングの窓とか、ちょっとしたところにある台形の窓とか……。家にいながら青空とか月とかを見られて、自然な感じが楽しめて好きですね。自分たちで設計できると、こういうオリジナルな楽しみ方ができていいなぁって思いました。
台形の窓なんかは規格外なのでちょっと費用はかかりますが、そこは他とバランスを取っているんですよ。
自然な感じっていうと、木を多く使っているところも好きです。
普通の家でも無垢の木は使っていますが、だいたいはテカテカにコーティングされています。ですがうちは木を天然塗料のみで仕上げてそのまま使っているんです。実際に住んでみると足触りがよくて……裸足でいたくなる家ですね。
そのまま使っているので、ゆがんだり傷付いたり汚れたりしますけど、それは自然なことだと思っています。小学校の机みたいな、使い古されて出てくる工業製品にはない味っていうのがまたいいですよね。そういうのをいいと思える方には木の家をぜひおすすめしたいです。
木がたくさんある家だと、のびのびとお子様を育てられそうですね。

そうですね。木がたくさんあって、家の中がアスレチックになるおもしろい家っていうのもいいですね。ブランコを下げたりしたらおもしろいな。今も、ハンモックを下げているんですよ。これは私のリクエストです(笑)。
ハンモック用のフックを最初に付けたんですよ。あとは木のキッチンも妻のリクエストです。
そう、天板が木でできたキッチンです。普通、水で濡れちゃうので一般的にはいやがる人もいると思いますが、ナチュラルな感じが気に入って、実験的でもいいからやってみようってことになりました。シンクから続くステンレス板が長めなので、思ったより濡れたり汚れたりすることなく、使い勝手もいいですよ。
本当に木がいっぱいなんですね。

そうなんです。でも、ログハウスっぽくはしたくなくて。
山小屋っぽい野暮ったさは出したくなかったので、すっきりするようなシャープなデザインを心がけました。
あとはいろいろなところにつくり付けの棚があって便利です。すっきりしているけど、結構収納できるので助かっています。
扉や仕切りがないので収納を自由度高く設けられるんです。店舗で使うような、増設移動できる自由度の高い棚もあったり。
今は、これから生まれる子どもに必要なものをしまっています。子どもが大きくなったらおもちゃや文房具を入れて、もっと大きくなったら私たち夫婦の仕事道具を入れて……とかできるんです。
ライフスタイルに合わせてカスタマイズできる家なんですね。
そうですね、あとから付けようと思えばいろいろ付けられます。
お子様の安全性への配慮はいかがですか?

今は何も考えていないんですよね(笑)。暴れることを想定したむしろ危険な家かも(笑)。なので今、手すりを付けようかとも検討しています。危なくない年齢になったら取るっていうことも考えて。でも、なければないで慣れてちゃんと育ってくれるようにも思います。手すりがない家で、「危ない」っていうことをちゃんと学んで大きくなっている子もたくさんいるはずですしね。
必要以上に過保護にならず、子どもの成長に合わせて必要なカスタマイズをしていけたらいいかなと思います。
外観がとても印象的ですが、こちらのバルコニーは住んでみていかがですか?

木をたくさん使っているので、雨が降ると木のいいにおいがしますね。晴れの日でも、自分たちはわからないんですが、お客様に「木のにおいがするね」っていわれます。
外で子どもたちが「なんか木のにおいがするー!」っていいながら走っていったりするんですよ(笑)。外側にあるファサードは、日よけだけでなく雨よけにもなっています。洗濯物が濡れないのでいいですね。すき間が空いているので、雨は入らないけど風が入って、ちゃんと乾くんです。
あと、意外な発見が階段です。1階の天井高が低いせいか、普通の階段より段数が少なくて、あんまり上っている感覚がなくて楽なんです。
家を建てている人がくると気付くんですよ。「何回上っても11段しかない!」って(笑)。
隠れたところに、意外な快適さの発見があるんですね。
通常は、天井高が高くて広いのがいいっていうのが憧れですよね。玄関も吹き抜けっていう。うちも家が小さい割には玄関は広く取っています。
広く見えるようにタイルにしたり、壁を一枚板にしてすっきり見えるようにしたり。
この一枚板がフラットな隠し扉みたいになっていて、下駄箱やトイレが隠れているんです。
絶対子どもが隠れそう!(笑)。私は最初からあんまり広さは求めていなかったんです。光熱費の安さとか、掃除のしやすさとかが優先で(笑)。だからいろいろと快適です。仕切りがなかったり、段差がなかったりするのは、最初はあんまり考えていなかったんですが、暮らしてみると段差がないって便利なんですよ! 掃除機もひっかからないし。あとはテレビ前の段差がベンチになっていて便利ですね。
ベンチの高さにしたんだよ。
お客様が大勢いらしたときにはここに座ってもらって食事をしています。いつもは、この前面のスペースにはクッションを置いて寝っ転がったりしています。あと、低めのところにある窓は、隣の人と目線をずらせるのでよかったです。
お隣さんは頻繁にベランダに出るので、お互いに目線が合わないようになっているんですよ。
家がすぐそばまで迫っているので、そういった目線とか窓の高さとかは重要なんだなーっていうのがわかりました。いかに隣とかち合わないかが肝になると思います。

私は、いろいろ実験する家っていう感覚なんです(笑)。いいところもあり、こうすればよかったというところもあり。自分で体験して、家を育てるみたいな楽しみを味わっていけたらいいかなって思っています。
建築家としても、お客様にはあまりやらないような、いろいろなことを試しています。もちろん市販のきちんとした材料を使っていますが「自分で住んでみないとわからない」っていう検証もできていると思います。
結果としては……満足ですか?
まだこうしたいっていうのはいろいろありますけどね(笑)。
完成がゴールじゃなかったので、まだまだ手を加えていけたらいいなと思っています。
ええ、どんどん進化させていけたらいいなと思います。ひとつのものに手を加えながら大切に使っていく感じ。それが注文住宅の醍醐味だと思いますし。住んでみて出てくる「こうしたい」っていう想いをそのときにいじっていけたら満足だな、と思います。




























建築家・島崎衛の自宅です。小さいことをむしろ潔しとした、新しい住まいのカタチです。