家に抱く価値観や答えは人それぞれ。その想いを大切にしながらも、プラスアルファの快適さを提供していきたい……そんな芯のある建築家・中川幸子の考えとは。

| 1999年 | 早稲田大学理工学部建築学科卒業(古谷誠章研究室-意匠計画専攻) 伊藤寛アトリエ (有)中尾英己建築設計事務所 植本計画デザインを経て |
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| 2006年 | 一級建築士事務所サオビを共同設立 |
中川さんの住宅設計にかける想いを教えてください。

住まいを考えることは、生きることそのものを考えることだと思います。お客様と住まいとそこで流れる時間を一緒にイメージして、それを形にできることにすごく幸せを感じています。
家への想いや価値観は本当に人それぞれだと思います。その人が一番いたい場所、楽しい場所、人を呼びたいと思える場所にしたいですね。それは、狭くても、広くても、ローコストでも、豪邸でも、なんでもいいんです。どんな形でもそれがその人の答えですから。一人ひとりの答えを大切にしたいな、と思います。
では、その施主の答えに、建築家としての提案をプラスするなら……どんなことがあるでしょうか?
私が常に意識しているのは、住まいに「空気感」をつくり出すことです。言葉で表現するのは難しいのですが、ただ真っ白できれいなだけの家にはしたくない……そこで起こる変化や流れる時間を包んでくれるような、そんな可能性を持つ空気を持たせたいな、と思います。
あとは、家という限られた空間で、少しでも広さ以上の広がりを感じられるようにすることでしょうか。外の光だったり、空気だったり、あとは視線で広さをとらえられたり……手法はいろいろあると思います。施主は、そこでの暮らしぶりをイメージすることはできても、立体的な感覚をイメージするのはなかなか難しいと思います。そこを提案するのが建築家ではないかな、と。
これまでにも、目線が境界を抜けていくような仕切り方の工夫はしてきました。あと、外部の壁をそのまま家の中に引き込むことで、外とつながっているような感覚を出したり。これからは、もっと光や風のある家を考えてみたいと思います。
「空気感」に関係してくるかと思いますが、中川さんは素材にもこだわられているとお聞きしました。

はい、これは予算によるところもありますが、なるべく肌にふれる材料にはこだわりたいですね。でも、高い材料というのではなく、安くても、荒くてもいいので、それぞれの家の空気感を演出できる材料で統一したいな、という気持ちはあります。
これから、設計で取り組んでみたいことはありますか?
そうですね。これからは、女性の視点を積極的に盛り込んだ提案をしたいな~と思っています。やっぱり快適に過ごすためには、家事のしやすさ、収納の使いやすさが大切ですよね。家事、育児のことを考えたら、すっきり使えて生活しやすい家がいいと思います。設備が解決できることもありますが、設計でできることもあると思います。
「狭小住宅」でもそれは可能でしょうか?

はい、できます。「狭小住宅」っていうフレーズがどうも……あんまりいいイメージではないのですが(笑)。東京とか大阪とか、特に都市住宅でいえばいい答えだと思いますよ。先ほどお話ししたように、人によって家に持つ答えがあると思うので、小さな暮らしもその一つとして、大切にしていきたいなと思います。
お客様がライフスタイルを振り返ってから、「これ」と選択する、その潔さを応援したいです。広さよりも、ほかの豊かさを選択するというその考え、選んだ結果、そういうものをひっくるめて、建築家として精一杯お手伝いしたいです。
















